- 前回レビューした「習い事」の続き。ピアノをやれば学力が伸びる?
- 「東大生の半分がピアノ経験者」の元ネタの本に行き着く。
- 実は、勉強が得意な子はピアノを習わせれば続ける、というだけでは...?
雑記と本のレビューの第2弾は、前回に続き習い事です。
春は新しい習い事を始める時期ですよね。
前回とりあげた新書「習い事狂騒曲」
www.gekitsuma.com
で、東大生を対象としたアンケートを紹介しています。
ピアノが2位という結果でした。
この調査に協力したのが「東大家庭教師友の会」です。
「東大生の半分はピアノ経験あり」などと書いてある他の書籍を見ても、元ネタはこの団体が提供しているデータがほとんどです。興味があり、取り寄せて読んでみました。
レビュー:東大家庭教師友の会著 「頭のいい子が育つ習い事」(角川書店)
最初に結論を書いてしまうと、東大生インタビューもあり、例外を含めてエビデンスも入っているおおた氏の本がずっとおもしろいです。東大生で、鍵盤を「イヤイヤやっていた」と振り返る人が出てきますし、リアルです。
対して本書は、東大生が昔やっていた代表的な習い事を網羅的に取り上げているのですが、それぞれの習い事が対等に扱われているため、カタログ的です。
「あとから思えば、この習い事はココが役立ったよね」「この習い事をしてればこんな能力が育つよね」
という分析が多く、後付け感があります。
「うちの子がやってる習い事って、学習面で役立つのかな?」と不安を感じている親御さんには有益な情報だと思います。
でも、その習い事をするから勉強ができるようになるのでしょうか?
実は逆で、勉強を苦としないタイプの子だから、その習い事を継続できただけかも知れませんよ?
ピアノの場合、もちろん前者もあるのでしょうが、後者が占める比率もそこそこあると思います。
私もピアノをやっていました。東大卒ではなく、実力の割に人気の無い地方の国立大ですが。
室内で椅子に座り、手もとに集中するという点で、勉強とピアノは似ています。
また、ピアノから勉強へすぐ切り替えられる手軽さもあります。
煮詰まったら、ちょっと弾いて息抜き...ができます。
サッカーや野球、書道ではこんなに簡単に中断したり、復帰したりはできませんよね。
そして、ミスのない答案を書いたり、集中して学習に取り組める子は、ピアノでもミスを減らす工夫をしながら練習しますし、上達すれば楽しいので習い事も続きます。
結局、ピアノと学業は共通点が多いというだけなのではないかと思います。
本書や生命保険会社のアンケートで欠落しているのが(1)どのくらいの期間、習っていたか(2)何歳から始めたか、のデータです。
中学年で始めて数年で辞めてしまった人と、3歳から15年やっていた人を同等に扱えません。
これらの軽重で統計的に補正をかけなければ、そもそも因果関係なんて論じることはできません。
論文ではなく「読み物」なので、細かい点をつついても是非もないとは思いますが...。
なんだか難癖っぽい話になっちゃってスミマセン!
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