今回は「10年後に中学受験も3教科になっているんじゃない?」の後編です。
前回の中編
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で、首都圏模試センターのデータから見える四つの傾向をあげました。
後編は3と4の補足解説です。
(3)先行組で入試科目が減少 英語特化型にシフト
最近の英語入試をめぐるインパクトでは、市川と慶応湘南藤沢の参入が大きかったと思います。
また、先行組のうち、英語入試を早くから導入した広尾や三田国際が進学実績を上げています。
後に続く中堅校、上位校は増えるでしょう。
これらの動きは、英語教育の低年齢化と関係があると思っています。
そもそも地頭のいい子が、習い事の一つとして英語教室に通ったり、幼児のころから家庭で英語に触れたりしています。英語が得意な子どもの絶対数が増えています。
これを裏付けるデータの一つが、英検の受験者数です。
公益財団法人日本英語検定協会によると、英検の志願者数(表の3試験合計)は2014年度の約264万人から、2018年度は約386万人に増加しました。このうち「小学校以下」は5年間で約33万人から約41万人に増えています。
(出典:朝日新聞)
子どもの数が減っているのに、小学生以下の受験者数は、わずか5年で25%近くも増えています。
中学受験塾に通っている子で、低学年のうちに英検2級〜準2級に合格している子は珍しくありませんので、国語や算数でもそれなりに点がとれる子であれば、6年生の秋までに理社を切り、英語入れた2科or3科の学校で志望校&併願校を固める可能性があります。
近年の上位校の参入は、そういう併願をするお客(生徒)を狙った動きだと思います。
一方、割をくっているのは、先行組のうち偏差値50未満の学校です。
2016年に英語を導入していた先行組(東京・神奈川のみ)の、その後の入試科目数の変化を調べました。
すると、2020年までに入試科目を減らしたのは51校のうち29校(57%)で、このうち26校は首都圏模試偏差値50未満でした。
先行組のうち、偏差値がさほど高くない学校は入試科目を減らし、英語1科目や国算併用の2科目程度に絞っていることがわかります。
これは「中学受験は考えていなかったけど、習い事で英語が得意」という層の開拓が狙いでしょう。
(4)同じ学校で英語入試の偏差値が低めの「お値打ち」校は?
同じ学校でも、一般入試と比べて英語を使ったほうが偏差値が低く出る学校もありました。
4科+英語を全部やるのは難しいですが、たとえば小5までに英検2級〜準1級をとっていれば、「飛び道具」として英語が使えそうです。
2020年の偏差値表から、一般入試(偏差値60以上)に比べて、英語入試の方が低い学校を抜き出しました。
・東京都市大附属 62(一般70)若干名
・共立女子 61(一般65)15人
・東京都市大等々力62(一般63)180人
・広尾学園 64(一般70)10人
・慶応湘南藤沢 72(一般74)不明
・桐光学園 59(一般62)60人
・市川 70(一般74)不明
・麗澤 59(一般62)定員5
天才や超絶努力家を除けば、4科+英語を勉強しつつ、一般入試と英語入試を併願するのは無理でしょう。
ただし、英語が得意であれば、国算を磨いておき、2〜3科目の学校で併願作戦を組めます。
一方、各校とも定員は少なめですので、倍率は高いと思われます。
東京都市大等々力は180人としていますが、帰国子女を入れた数ですので、侮れません。
英検準1以上がゴロゴロいそうです。
★ ★ ★
ここまで、3回にわたって10年後を占ってみました。
うちのパー子とのび太は大学受験or大学生です。
このころの大学入試は、優秀な子ほどアメリカの有名大に進学するでしょう。
各高校も予備校も「アイビーリーグに何人入れた」を宣伝。日本の大学と海外の大学との間で高卒トップ層の奪い合いになっている、と思います。
正直、私がそのころ18歳ならアメリカの大学に行きます。就職と可能性を考えれば、低成長の日本にとどまる必要がないからです。
子どもたちはも2人とも、日本離れちゃうかなぁ。
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