恐妻家リーマンの教育支援録〜中学受験&英検1級への道のり〜

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英語学習を続けながら中学受験に対応できるのか? 長女パー子(2024年)と長男のび太(2026年)の受験&英数学習記です。パー子は新4年からW塾へ。のび太の小学校受験は2020年度に終了しました

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(雑記とレビュー)名門校には誰もが納得する理由がある(後編)

・中学受験まっさかり。名門校レビューの後編は中学受験界で著名な2人。
・首都圏中学受験にほぼ特化した矢野氏と、ルーツ別に全国を網羅したおおた氏。
・3冊ともおすすめ。読むのは永井氏→おおた氏→矢野氏の順で。

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2月に入り、東京・神奈川の中学受験が始まりましたね。
昨日、息子と公園で遊んでいたら、鼻歌を歌いながら歩く某学習塾生の集団を目にしました(すごい余裕?)。きっと手応えがあったんですね。

さて、今回のエントリは名門校シリーズのレビュー(後編)です。
おおたとしまさ著「名門校とは何か?」(朝日新聞出版)と、矢野耕平著「旧名門校vs新名門校」の2冊です。

レビュー:おおたとしまさ著「名門校とは何か?」(朝日新聞出版)

新書なのに分厚いです。
本編の前後に「大学合格者数ランキング」「高校偏差値ランキング」が載っていることを差し引いても、結構なボリュームです。

タイトルで引っかかりがないというか、損をしているな、と思う本です。
「偏差値や大学合格実績が高いのは当然。そんなチンケな物差しじゃ測れないんですよ。それを教えましょう」というのが趣旨です。

「はじめに」で、学校を味噌や醤油の蔵元に例えていますが、確かに名門校は酒蔵のようだなと思いました。
全国各地の名門校を旧制中、藩校、女子校、師範学校、戦後の新しい学校...というように、ルーツ(品種)によってまず仕分けしています。この本では、ルーツはそう大きな要素として位置付けられていません。章立てするための便宜上のものかなと思います。
面白いのは、建学の精神やポリシーによって各校で味わいに違いが出てくるところです。いわば、「発酵」「熟成」「加工」のプロセスに焦点をあてて、なぜ名門の「味」になるのか、それぞれの学校を分析しています。

もちろん、自分の子どもが通えないエリアの学校も出てきます。
でも、名門校を形作る要素を知ることは、学校選びの目を鍛えられます。そこは(前編)の永井氏の著書と共通します。

永井氏と違うのは、歴史的に系統だってまとめられている点です。
そして、一人称の記述が多いこと。主観よりも客観に重きを置いています。

そのため、ややもすると教科書っぽく感じるかも。
おおた氏が得意とする、魅力的な人物や事件を追ったルポものではないので、それに慣れた人やファンからすると、物足りないかも知れません。

レビュー:矢野耕平著「旧名門校vs新名門校」(SB新書)

最近売れっ子の矢野氏の代表作の一つです。
大手学習塾の講師出身というカラーが色濃く出ています。
「すぐ役立つ」という点で、一番即効性があります。

割り切りもスゴイ。首都圏以外の学校も6章で触れていますが、「おまけ」の扱いです。
もっというと、5章の都立中高一貫VS国立附属も読まなくていいぐらいです。
4章までの首都圏私立中学の分析がこの本のキモですね。

2015年に中学受験者数が底を打ってから、増加傾向が続いています。
子どもの数が増えているのではなく、入試が多様化したおかげで、小学生にとって受験が身近になっているのです。
また、大学入試改革への不安(または不満?)もあり、大学附属系列が志望者を伸ばしていることなど、ニュースを押さえた仕立てになっています。

カタログ的ではありますが、数多くの学校を短い文書でよく分析しています。
小5ぐらいで学校説明会に行く前に、この本を読んで予習をしましょう。
お子さんとの話にも使えます。

他の著書にない強みは、自分の教え子がどうして受かったか、どんな受験生が進学したか、どういうタイプの子が向いているか、という実際の事例が所々、短く入っていることです。某掲示板「インター●デュ」で不毛なマウンティング争いを目にすることなく、欲しい情報が得られます。
ちなみに、参考文献には「名門校とはなにか?」が入っています。

まとめ:3冊ともオススメ。でも読むべき時期は異なる

いずれもいい本だと思います。
私のようにまだ受験まで丸4年ある親御さん、受験をしようかどうか迷っている方、名門校の魅力について研究をしてみたいーーという人はまず永井氏の本で広く見渡してみるのが有意義です。
新3年2月で塾に入ったばかり、という方であれば、おおた氏から読み始めてみるのもいいと思います。漠然とした「あこがれ」を、この本で言語化しておくといいと思います。

矢野氏の本は志望校選びが視野に入ってくる新5年以降でしょうか。
今の版が2018年12月です。情報が古くなると陳腐化してしまうので、おそらくデータを更新した「改訂版」を来年出すのではないかと密かに思っています。





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